横浜 保土ヶ谷のパスタとワインのお店|夏への扉

045-331-6446

神奈川県横浜市保土ケ谷区帷子町2-47-4 国際会館1F



2009年6月12日18:00、15年越しの夢が叶いました。
ついに僕の店、「夏への扉」がオープンしたのです。僕が「乗組員」と呼ぶスタッフは2名。全部で17席という小さなお店ですが、「お客さまの笑顔と元気を増やすため」に、毎日頑張って営業しています。
最近、お客さまから「ごちそうさま」「おいしかったよ」と言って頂ける事が多くなりました。これは僕にとって、とてもありがたい言葉であり毎日の仕事の励みになっています。
しかし、晴れて独立するこの日まで、僕には、このお客さまの声の「本当の意味」が分かっていなかったのです。

初めて飲食店で働いたのは大学生の頃、サークルの仲間が働いていた地元の定食屋さんでのアルバイトでした。働き始めると、すぐに仕事に「ハマって」しまったのを覚えています。
この定食屋のマスターである親父さんはとても面倒見がよく、器の大きな人でした。マスターの定食屋では、お客さまと接しながら楽しく仕事ができて、成長もできる。しかもお客さまから「ありがとう」と言ってもらえました。そんな飲食業に楽しさを覚え、のめり込んでいったのです。
「こんなに素敵な商売はない!」
その後、たくさんの飲食店を見てきましたが、初めにマスターの定食屋で働いていなければ、きっと、飲食業を続けてはいなかったと思います。
僕はあの「ホリエモンさん」と同い歳。学生の時は、「学生起業」がお洒落なファッションのように流行っており、「僕も将来は独立を…」とぼんやり考えていました。

大学を卒業すると、迷わず飲食企業に就職しました。「味の民芸」というファミリーレストランチェーンです。働く中で、少しずつ飲食業界の抱える問題を感じて始めました。
「この人はすごいな」と思える優秀な方に限ってすぐに会社を辞めてしまうのです。「飲食業は、休みが取れない、肉体労働、給料が低い」
といった理由です。

「飲食業はつらい仕事だと思われているのではないか?」
この頃から「飲食業のイメージを上げていきたい!」という想いが生まれてきました。

「味の民芸」で数年間働いた後、外食専門のコンサルティング会社である「リンク・ワン」に転職しました。リンク・ワンでは、店長やマネージャー職として飲食店に入り込み、率先して改善活動をすることでお店を支援します。僕も店長として全国たくさんの飲食店に行かせていただきました。
その中でも、やはり同じような現象が見られます。優秀だと感じた方がすぐに辞めてしまうのです。僕の感じていた疑問は間違ってはいませんでした。

飲食業は「つらい仕事」というイメージがついているようです。世間的に見ても、飲食業界で働いている側にとっても。実際に、「休みなし、1日中立ちっぱなし」で疲弊しきっている店長がたくさんいるのは事実です。

でも、僕は飲食店の店長という仕事は、「最強の職業」だと思っています。お店のコンセプトから、乗組員の採用・教育、数値管理、販促活動、現場での接客までトータルの力が必要です。生半可な気持ちで全うできる仕事ではありません。だからこそ、本気で立ち向かっていけば必ず成長・充実できる職業なのです。だからこそ、すぐに辞めてしまう方を見ると、僕は「もったいない」「さみしい」という気持ちになるのです。こうして「業界への偏見を変えなくては!」「飲食業のイメージを上げていきたい!」という想いがますます大きくなっていきました。
支援中はアルバイトさんの教育や販促手法など、僕が実践して見せることでお店の方に伝えていきますが、逆に僕が教わることもあります。
地域やオーナー様の想いにより、お店には個性があります。「理念追求」に注力されている居酒屋のご支援では、確固たる理念を作り、組織に浸透させていく事の重要性とその難しさを学びました。下町のそば屋さんのご支援では、「地域」のお客さまに合わせて、丁寧にやり続ければ結果が付いてくることをはっきりと実感できました。また、ホルモン屋さんのご支援では、社長様と密接にお仕事させて頂く中で、経営者の視点を学ぶ事も出来ました。
リンク・ワンで様々なお店を経験することで、「独立した僕のお店」のイメージが徐々にできていったのです。

年を重ねるごとに、独立への想いは確固たるものになっていきました。
「結婚して子供ができてからでは、独立はリスクが高くてできない」
35歳の誕生日が近くなったのを機に、ついに独立を決意しました。

運営に関しては、これまでそれなりの経験を積んでいたので自信がありましたが、お店をゼロから作ることに関してはズブの素人。
分からないことだらけでした。

物件選びから、メニュー開発、業者さんとの交渉等、初めての事ばかりで、思うようには店づくりが進みません。中でも、一番苦労したのは資金調達です。独立して初めてお店を出す僕に、お金を貸してくれる銀行はそう簡単には見つかりませんでした。
そこで力になってくれたのが「彼女」です。13年付き合っている彼女は、すでに会社を持っており経営者としての先輩。その彼女から銀行を紹介してもらい、何とか開業資金を手に入れる事が出来ました。

そして、35歳になって2ヵ月後の6月12日、何とか「夏への扉」をオープンまでこぎつける事が出来たのです。
今だから言えますが、実はオープン前日まで不安に押しつぶされそうでした。一緒にお店をやってくれる乗組員には、「本当にやっていけるのかな…まだ引き返せるかな…」「借金も背負ってしまったし、ちゃんと返していけるかな…」と不安を漏らしていたようです。

期待と不安が入り混じったオープン当日。多くの友達がお祝いに来てくれたおかげで、初日から満席になりました。
ただ、こちらの仕事はボロボロです。初めての営業で段取りをうまく組めず、準備の段階から目の前の業務だけで手いっぱい。
乗組員も僕もまかないのご飯すら食べられない状態でした。お客さまのテーブルも見る余裕はなく、これではサービスなんてまともにできるわけがありません。
日に日に乗組員の不安が大きくなり、気づくと、毎日続けると決めた日報も書けていませんでした。
夢が叶ったとはいえ、オープンした店は、僕の描いていた理想の「夏への扉」とは遠くかけ離れた状態だったのです。

理想とはかけ離れた営業が1週間も続きました。
「このままではダメだ、何とかしないと…」
その時、僕は昔の自分を思い出しました。
「もし僕がコンサルタントとしてこのお店を支援するとしたら、どうなるだろうか? 何か変わるかもしれない」
僕は、僕自身が外食コンサルタントとして、「夏への扉」をチェックすることにしました。客観的に見るためには、自分の意識も変えなければなりません。支援の初出勤時と同じように、ビシッとスーツとネクタイを身につけて店に入りました。そして店内を隅々まで細かくチェックし、課題を書き出しました。
そうすることで、パンクしていた頭が整理されてきたのです。
この日を境にお店の改善が本格的に始まりました。課題が明確になったら、後は1つずつクリアしていくだけ。毎日1つ改善することで、少しずつですが確実に理想のお店に近づいていけるようになりました。
溜めこんでしまった日報もすべて書き、途切れていた毎月の目標設定も再開しました。オープンから1週間かかってしまいましたが、乗組員や僕の不安も晴れ、理想の「夏への扉」へ向けての一歩を踏み出すことができたのです。

「ご来店くださったお客さまに感謝しなさい」「お客さま第一だ!」
これまで外食コンサルタントとして支援してきた時には、いつもそう指導してきました。
でもこれが「口先だけだった」と知ったのは「夏への扉」をオープンしてからです。

日々の改善が少しずつ進み、お店も落ち着いてきた頃です。お母さんと娘さん、2名のお客さまが「夏への扉」に来店されました。僕はご注文のパスタを作り、乗組員がテーブルに運びます。そして、パスタを食べた娘さんの口からこんな言葉が…。
「お母さん! これおいしいよ。食べてみて!」
(うわぁ… 僕の作った料理でこんなに喜んでくれるんだ!)

キッチンの奥からそれを見ていた僕の目から、一粒の涙がポロリとこぼれ落ちました。
コンサルタント時代、何度も聞いたことがあるはずの言葉です。でもこの時は違いました。今まで感じたことのない、全く違った嬉しさが腹の底からこみ上げてきたのです。
「お客さまに喜んでいただくのは、こんなにも嬉しいことなんだ!」
この時、僕は初めて、お客さまの声の「本当の意味」を知ったのです。
お客さまがお客さまを連れてきてくれることへの喜び。これを心から感謝できるようになったのも「夏への扉」をオープンしてからです。
ある日、お父さんと娘さん、2名のお客さまが来店されました。その数日後、今度は同じ娘さんとお母さんの2名で来店。その次には家族3名でいらっしゃいました。
不思議に思って聞いてみると、娘さんがお家で駄々をこねていたらしいのです。「ねぇ、あのネコのお店に行こうよ!」と。その娘さんはお話好きで、来店するたびに僕や乗組員とたくさんの話をしていました。店内にたくさん飾られているネコもお気に入りだったようです。
僕はこの「夏への扉」を地元保土ヶ谷の方々に、普段から気軽に使って頂けるお店にしていきたいと思っています。常連さんしか入れないようなお店ではなく、誰でも気軽にパスタを楽しんで頂けるお店に。

 

貸切も対応できる、保土ヶ谷にある夏への扉の想いを料理とサービスに込めております

保土ヶ谷駅直ぐにある「夏への扉」では、お客様が美味しいと笑顔になっていただくことを最大の喜びと使命として、真心込めて最高の料理をご提供し、きめ細やかで心地よいサービスをご提供しております。
「夏への扉」ではお客様にご満足いただけることをモットーに、美味しい料理とワインを楽しんでいただける環境づくりを致しております。ランチもディナーも貸切に対応しており、少人数でもご相談に応じますので、ご家族での誕生日会や女子会、お仲間でのサプライズパーティーなどの開催もお気軽にお問い合わせください。
保土ヶ谷の「夏への扉」ではお客様の笑顔を引き出す料理とサービスの提供をモットーに、マスターが最高のおもてなしをご提供いたしますので、どうぞご来店ください。